キャプテンキッドの舞台になった?トカラ、宝島

財宝伝説

トカラ列島最南端の島、宝島。

この島には便利ではあるけれど単調で退屈な日々を送っている都会に住む人の心をくすぐるロマンがある。

それは、スティーブンソンの小説『宝島』のモデルの島であり、17世紀に実在した「海賊キャプテンキッド」が財宝を隠したという伝説である。

伝説のヒントになった事件

宝島の集落の入口にはイギリス坂と呼ばれる坂がある。

イギリス坂の名は、1824年にイギリス船が食料となる牛を奪うために宝島を襲撃した事に由来する。

宝島近海に停泊していた船から艀で上陸したイギリス人は、大砲を撃って牛を殺し略奪したのである。

もちろん島の人も応戦し、島津藩目付役がイギリス人を一人射殺したという記録もある。

この事件は翌年に徳川幕府が発布した「異国船打払令」の契機となっている。

それがスティーブンソンの「宝島」のヒントになったと言われている。

にわかに信じがたい話ではある。

実際、財宝を探しに宝島を訪れる人は後を絶たないし、テレビ局が取材、調査をしていった事もある。

しかし何も見つからないのだ。

島の人たちもこの伝説を本気で信じている人はいないようだ。

新しい宝

じゃあこの島には何も宝はないのだろうか。

そんな事はない。

この島のとびっきりの宝は、島を取り巻く美しい海から取れる塩である。

普段私達が使う塩化ナトリウムの味気ないしょっぱさとは違い、海水を濃縮して作った自然塩は微量元素やミネラルが含まれていて、ほのかな甘味と苦味、まろやかな風味を持つ。

1996年に塩の専売制度が廃止されてから、宝島以外にも伊豆諸島、高知の土佐佐賀などで自然塩づくりが進められている。

なかでも宝島は「宝の塩」とネーミングし、島の特産品にまで成長させた。

現在では全く生産が追いつかないほどの注文が来るそうだ。

あなたも宝島のサンゴ礁を流れる海を想像しながら、「宝の塩」を舐めてみませんか?

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